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金本という男。

阪神タイガース、金本知憲選手の連続試合全イニング出場が18日、1492試合で止まった。
広島時代の1999年7月21日の阪神戦からすべての試合で開始から終了まで出場し、2004年に701試合連続フルイニング出場のプロ野球記録をマーク。06年には904試合にまで伸ばし、米大リーグ記録とされるカル・リプケンの記録を更新し、前人未到の1500試合まで残り8試合に迫っていたのである。

本日13時半からの横浜戦のオーダーに金本の名前が無かった瞬間、鳥肌が立った。
とうとう来たかと…。

2003年に阪神タイガースに来てから、弱小阪神を変えた男。そして、衣笠という大先輩を追い抜く勢いで鉄人を貫き通して試合に出続けた男。ある時は、頭に死球を受けて倒れ込み、それでも翌日笑顔で試合に出続ける男。ある時は、腕を骨折しながらも、チームメートの中で一番軽いバッドを借りてヒットを放った男。
まさに鉄人である。

しかし、彼はシーズン前に、怪我をした。右肩である。
今度は、骨折ではない。
骨折は、くっつけば治る。
でも、筋関連は、そう簡単なものではない。
動かしながら治せるものではない。
シーズン開幕してから、明らかに彼の成績は悪かった。しかし、チャンスで右肩をかばいながらもホームランを打ったこともある。タイムリーを打ったこともある。つい先日、かの長島茂雄のホームラン記録、444本を超えるホームランを甲子園でかっ飛ばしたばかりである。その鉄人がとうとう決断したのだ。

昨日の横浜戦。
彼の守備位置、レフトを狙う打球が何本も襲った。
それに対して、金本はまともな送球が出来なかった。
彼のプレーが完璧でないが故に、横浜に得点を許し、チームは負けた。

そして、今日。
監督含めてチームメイト、ファン、全てが当たり前のように、4番レフト金本の存在を確かめようとした。
しかし、今日。
彼の名前は、先発オーダーの中に無かった。
記録が途絶えたのである。

真弓監督に言わせると、彼自身の判断でのことだったという。
それも、開幕オーダーを提出する5分前であったという。
金本曰く、『勝つための手段として僕は外れる』という意向だったという。
当然真弓監督は説得したが、金本は決断した。
記録が途絶えたのである。

金本という男は、本当に鉄人である。
それとともに、努力の天才であり、常に結果を残し続けたプレイヤーである。
実力があり、それがチームの勝利に貢献出来るからこそ、出続けた、出続けられたということなのだ。
だから、今回の件は、いたって、シンプル。
彼が発言した言葉に尽きる。
今まで、怪我をしても、彼はチームの勝利に影響を及ぼすことは無かった。
だから出続けることが出来たし、チームも彼を必要とした。
だからこの記録なのだ。
記録を達成するために、彼は出続けたわけじゃない。
勝利を貪欲に求め続けた結果、記録が誕生したという、副産物であると僕は思う。
世界記録を副産物と言うのは暴論じみているかもしれないが、彼はそのように捉えていると思う。
それと、いままで、途絶えた、途絶えた、と言い続けたけど。
僕が思うに、達成した、と、みんな感じて欲しい。
記録が途絶えたということは、この、1492試合という記録が後世に残る数字として記録されるのだから、これは、偉業の達成なのだ。
だから僕は、金本に、おめでとう、と、言いたい。

一人の野球人として。
ひ弱な体をストイックに鍛え上げ。
プロでも通用する体に仕上げ。
主砲としての力量を得て。
ダイヤモンドに出続けることによって。
チームの勝利に貢献して。
それが最大の喜びであり。
記録なんてものは、やはり、副産物であると思うのだ。彼にとって。

この記録が達成したことで、記録は終了ということではなく。
実は、まだ続く記録があると、皆がいう。
連続フルイニングではなく、連続試合出場の記録だ。
今日、金本は、代打で出場した。
そのことによって、連続試合出場を1638試合に更新した。
連続試合出場のプロ野球記録は衣笠祥雄氏(元広島)が持つ2215試合だという。
どういう形であれ、試合に出続ければ、この記録を更新する可能性があるという。
しかし。
この記録を塗り替えるには、単純計算で、これから3年以上出続けることになる。
彼は、今、42歳だ。
45歳まで、現役でいることが大前提となる。

はっきりいって、目指す必要はない。
はっきりいって、こういう記録は目指すものではない。
試合に出ることは。
チームの勝利に貢献すること。
貢献出来ないのならば、出る必要はない。
記録のために試合にでるなんて、金本自身もまったくもって不本意なはず。
だから、彼にとっての記録というものは、今回の達成に伴って、気にかける必要はない。

しつこいようだが、チームへの勝利。
そのためには、金本が万全の状態、万全でなくとも、活躍出来る状態。
そこまで持って行って欲しい。

中途半端な出場は回避すべきだ。

僕は、おめでとうと、おつかれさん、を捧げたい。

かの赤星のように、体を酷使して選手生命を短くしてしまうのは無謀だ。

僕は、彼に治療に専念してほしいと思うのだ。

それがチームのためになる。

金本のためにもなる。

そう思ってやまない。
by allisloveisall | 2010-04-19 00:54
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