チャットモンチーはドラムなんだと言いたいわけで
c0015779_21585286.jpg チャットモンチー/生命力

 僕はもともとアマチュア・バンドをやっていて。ドラムをやっていたせいもあって、どんなジャンルの音楽を聴く時でも、ビートの善し悪しがその音楽が最高か最強かを決めてしまう嫌いがある。ギターがベースが、その他様々なな楽器の鳴りや、歌詞やメロディが素晴らしく、それにやられて惹かれてしまうことだって当たり前のように多々あるのだけど、最終的には、または、突発的に、初っ端からビートに惚れて抱かれて音楽に恋をしてしまったり、魂を強奪されてしまったり、心から共感を産まされてしまう。今までずっとそうやって音楽を聴いてきたといっても過言ではない。そして、やっぱりこのチャットモンチーもそうなのだ。ビートなのだ。ドラムなのだ。
 高橋久美子が叩くドラムがいい。ていうか、彼女たちを語る上で、ドラムがどうだとかビートがどうだとか言う人ってあんまりいないと思う、からこそ言わせてもらう。例えるならば、オアシスの初代ドラマーがあんなにも手数が少なく、テクニック的に粗雑であっても、あれがオアシスであるべく軸を確実に握っていたということだ。こんな例えだって解ってもらえないかも知れない。ならば、保坂お得意の、中村一義で例えればいいのか。僕が、彼の音楽をまともに聴けるようになったのは、あの、彼の、もたったドラムに導かれてしまったからだ。あれがなければ未だに彼の音楽を良いと思えていなかったかも知れない。だって、デビューアルバム『金字塔』を購入して聴いた瞬間、彼独特のあのヴォーカリゼイションがどうにも好きになれずに、数ヶ月、CDラックの奧にしまいこんでいたのだから…。
 話を戻す。高橋久美子のドラムだ。彼女のドラムは、どったばたしている。ドタバタバタバタ…だ。印象的なのは、フィルだ。フィルイン、フィルアウト。それに、スネアの音。張りの緩いスネアがばしっと鳴り響くあの音。これがかなり僕の心を鷲掴みにした。オープンハイハットの鳴りも乱雑故に生々しい。まあ、元来、女性ドラマーというものにとてつもなく共鳴してしまう僕であるからしてしょうがないのかも知れないけれど、それを度外視しても、かなりくる。彼女のドラミングは。最終楽曲「ミカヅキ」なんかまさしくそれだ。ど頭の「親知らず」だってまさしくそれだ。
 ロックバンドがポップミュージックとして昇華して行く上で、ドラムは絶対的不可欠要因である。が。くるりの「ワルツを踊れ」はそれに対して真っ向から正反対の姿勢をもって、究極のメロディを持ってロックたらしめた。が。やはりロックはドラムが必要なのだ。当たり前のことだけど、必要だからこそ重要で。当たり前すぎるからみんなドラムやビートの鳴りをあまり気にせず素通りする。でもビートルズはリンゴ・スターのどんづまりビートがなければビートルズではなかったし、ローリング・ストーンズはチャーリー・ワッツが8ビートの4拍目と8拍目のハイハットを抜いて、微妙なビートのずれ、スネアのタイム感の生々しさを出してのビートを叩く手法を駆使していなければローリング・ストーンズではないということで。ザ・フー然り、ツェッペリン然り…。歴史が証明している。なのにそこにフューチャーする人が、そこに注力して音楽を聴く人があまりにも少ないような気がする。また例えてしまうが、くるりがドラマーを何度も変えながらロールしてきていることが何の意味をもたらしているのか?ということを少し考えてもらえれば解るだろうと思う。
 やれ4つ打ちのロックが氾濫していてどうにもこうにも…という風潮もあるが、改めて「シャングリラ」のイントロの高橋久美子の、ドンシャードンシャー、というキック&スネア&ハイハットの音を聴いてみて。あれは、彼女じゃなければ叩けないし、最高のロックミュージックはイントロの数秒を聴けば解るという定説、というか常識、がもうドラムで証明しているという事実。ギターのカッティングとかベースラインとかボーカルのアカペラとか。単独の音だけでイントロが構成される曲もあって、その数秒で持って行かれる場合もあるが、ドラムだけのイントロで持って行かれるロックを聴いたのは本当に久しぶりである。
 長々と語ってしまったが、ドラムの魔力、ビートのマジックをもっとみんなに感じて欲しい。ドンドン、タ、ドドドン、タ、というシンプルなスネアとキックが秀逸な「世界が終わる夜に」だってそうだ。あ。もうこれはきりがない。この辺で止めておく。
 最後に一言。ただ単に上手いドラムが好きということではないということだけを付け加えておく。上手いから素晴らしいロックミュージックが誕生するわけではない。ドラムはビートで、ビートは鼓動で、鼓動は生命がある限り体内で鳴り続けるものであるからして。そこに繋がるものだからこそ生命力なのだと。ドラムがね。というこじつけでこの日記を終えようと思う。

おっと、時間と心にゆとりと余裕があると、ここまで長文かつ頻繁に日記を書くことが出来るんだね。って今頃気づいた。どうしようもない俺。
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by allisloveisall | 2007-10-26 00:00
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