ピース、ラヴ&ユニティーの名において
c0015779_22395318.jpg
The Ordinary Boys「Brassbound」

 The Ordinary Boysが1stアルバムから1年後という短期間で2ndアルバム「Brassbound(ブラスバウンド)」をリリースした。驚愕。これほどまでに性急に突っ走るとは思っていなかったし、そして、もし突っ走ってしまったら短期間で失速してしまうのでは?という不安もあったからだ。が。そんないらぬ心配はアルバムを聴いて全て吹っ飛んだ。これが2ndアルバム?あり得ない。1年間でこれだけ成長したのか?あり得ない。それほどまでに強烈なアルバムになっている。
 さて、内容はというと、先行シングル「Boys Will Be Boys」で垣間見せた、現代版2トーン・スカなナンバーから予想していた通り、アルバム全編に渡っての通低音は彼等のルーツ・オブ・ルーツであるレゲエ/スカ。しかしそれだけじゃぁこのアルバムを語るに値しない。単純にスペシャルズやマッドネスといった2トーン・スカのそれだけではないし、確かにクラッシュでもあるしエルヴィス・コステロでもあるけど、彼等とは違った角度でレゲエ/スカを吸収し発している。そして英国という場から産まれだした様々な素晴らしきアーティスト、ビートルズまで遡っても言い過ぎじゃない、そのような先人達のエッセンスを彼等なりにちりばめている。特に、メロディーだ。メロディーのこの際立ち方は予想だにしなかった。確かに1stアルバム収録曲「Maybe Someday」のようなモッズな、ジャムな楽曲に心奪われた身としては彼等のソングライティング力というものを肌身に感じていたが、ここまでクオリティの高い楽曲を作り上げることができるなんて。だって、これ、アルバム全曲シングルカットしてもいいぐらいだよ。
 しかし、確かに、アルバム先行曲「Boys Will Be Boys」はダントツに最高だ。2トーン・スカというジャンルにカテゴライズされたバンドが醸し出す楽曲とは一味も二味も違う。それに対するリスペクトという名目を残しつつも、曲間に挟まれるダンスホール・レゲエなラガ・マフィンや、メロディーの際立ちは、彼等にしかなし得ない素晴らしきもの。しかしその他の楽曲もそれにひけをとらない。特に秀逸なのは「Call To Arms」か。深遠なるストリングスが鳴り響き、乾いたギターのカッティングとヴォーカルのサム・プレストンの唾を吐きかけるかのような唄声からはじまるこの楽曲。曲途中からホーン・セクションまでもが鳴りはじめる。そして楽曲の最後は、もしこの曲がライブで演奏されたら、オーディエンスがプレストンと一緒に必ず大合唱するであろう的なシングガロングな掛け声が…。まあとにかく、勿論、くどいようだがメロディーは秀逸で、プラスアルファ、言いたいことがあってね。この楽曲の歌詞に僕はメロメロになってしまうのですよ。

「But one for all we will never fumble, We'll take a tumble, in the rumble, But all for one we will never crumble.」
(「1人はみんなのために」 へまはしないぜ 足をすくわれても争うのさ 「みんなは1人のために」 滅びやしない)

 「fumble」「tumbl」「rumbl」「crumbl」という韻の踏み方もかなり粋なんだけど、日本語訳ね。歌詞の意味ね。泣けるぜよ。

「We can fight and get it right、Bumping in the ruck is not a pretty sight, In the name of peace love and unity.」
(戦い抜けるさ 白黒つけることもできる みんなでもがいて 少しぐらいかっこ悪くても ピース、ラヴ&ユニティーの名のもとに)

 ちきしょう。むかつくぐらいかっこいい。ここに引用した歌詞だけではなく、この楽曲には様々な彼等の、音楽活動におけるアティテュードが詰め込まれている。無論、この楽曲以外にも、ね。1stアルバムにおける政治的アティテュードから少し、人間の内面的なもの、日常の心模様を表現している度合いが高くなっている。だからこそ届く。僕に。
 とにかく、歌詞も凄いのだが、メジャーコードだろうがマイナーコードだろうがなんだろうが、どんなコード構成で楽曲が構成されていようが、聴いている自分の心が高揚する楽曲が詰め込まれているところが素晴らしくね。みなさん、国内盤を是非購入して下さいね。たまには洋楽のアルバムも国内盤を購入して歌詞を噛み締めて下さいね。それにこのアルバムにはボーナストラックで、The Ramonesの「KKK Took My Baby Away]のカバーが収録ですよ!こりゃぁ、DJ保坂としては当分の間、かなりの頻度でスピンしまくるナンバーになること必至ですわ。

 と、久しぶりに音楽を日記で語りましたな。真面目に。

 そうそう。オアシスとウィーザーのアルバムについても近々ね。書かないと。
[PR]
by allisloveisall | 2005-06-23 00:26
<< がんばらないでたのしんじゃおう 父の日 >>